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秋の夕暮れ、夕焼けがオレンジ色から夜色の空に変わる頃、GOD EYESの店内も静かな時を刻んでいた。

「シキはどう思う?」
ユリアスは窓辺にある椅子に腰を掛け、先ほどシキが運んできたロイヤルミルクティーのティーカップを口に付けながら呟いた。
窓から見える空は微かに残る夕焼けが寂しそうに雲を照らしている。
「・・・何がですか?」
すぐ近くから優しい声が聞こえる。
「・・・さっきの高志さんの話」
シキはユリアスの向かいにある椅子へ座り、手に持っていたコーヒーカップを2人の間にある小さなテーブルにそっと置いた。
「一週間ほど前に来られた同じ学生服を着た男子生徒ですね」
「・・・うん。きっと彼が功さんだね・・・彼はここへ何を占いに来たのだろう・・・。 彼の残り香は金木犀の香りだった。それを思えば金木犀に捕らわれているのかも知れない。でも、何故心優しい木々が人を捕らえる事をしているのだろう・・・」
シキはそっと呟いた。
「明日、高志さんの案内で功さんの家へ行きます。功さんにお逢いすれば分かりますよ・・・きっと」
ユリアスはシキの言葉に応え紫と黒の瞳を細める。
「うん・・・そうだね」

 

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