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青年が暗闇の中走る。青い瞳で周囲を警戒し、黄金の髪を靡かせながら。
その青年の手には、堅く結ばれたもう一つのしなやかな手があった。
その先には青年の後を必死で走る少女の姿がある。その少女も青年と同じ黄金の髪と青い瞳を持ち、青年と同じ顔をしていた。
二人は目の前にある高さ3m位の壁を軽々と飛び越える。
飛び越えた先で二人の歩みは止まり、青年は少女を庇うように咄嗟に少女の前へ立ちはだかった。
強い光が二人を照らす。光の先には三人の影が見える。
青年は手で光を遮りながら、三人の若者の姿を見ようとした。
「・・・これ以上、逃げ切れると思いますか?」
三人の一人が落ち着いた声で話を続ける。
「あなた達は私から離れることは出来ません」
残りの二人が青年達に近づいてくるが、瞬間、忽然と姿を消した。
「キャーーーーーーツツ」
後ろにいたはずの少女は一瞬にして若者に連れ去られていた。
「君には失望しましたよ。私の創造した中でもハイクラスの物を与えてやったのに。唯一私と同じ名前も与えてやったのに・・・残念です」
「博士・・・僕はっっ」
博士と呼ばれた若者は青年の声をかき消すように話す。
「見ていなさい、アレク。この研究所から逃げた者達の辿る道を」
博士は怯える少女の頬へ手をかけて、にっこりと微笑む。
「顔は残しておきましょう。とても綺麗に創れた顔ですからね」
少女は博士の言葉に震えながら叫んだ。
「いやーーーーーっっ!」
-----バキッ------
鈍い音が響き渡り少女の両腕がもぎ取られる。
「止めて下さいっっ、博士っっ、お願いですっっ」
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