□ scene3 □


「大丈夫?うなされていたみだいだけど・・・」
はっと目を覚ました青年は、突然掛けられた声に驚き振り向いた。
そこには黒髪の少女とも思える若者がにっこりと微笑んでいる。
その若者は青年の反応に気づき、少し考えた後言い直す。
「Can you speaking Japanes?」
「大丈夫です。日本語話せますから」
若者は安心したかのように笑う。
「良かった。英語も通じなかったらどうしようかと思ったんだ。ヨーロッパ各国の言葉なら分かるけど、それ以上になっちゃうと僕じゃ分からないから・・・」
にっこりと笑む若者につられるように青年も微笑む。
その時、部屋の扉が開き、長い黒髪を持つ若者がトレイにマフィンやスープを乗せ運んできた。
「紹介するよ。彼はシキ・クランドル。僕はユリアス・オーブ・アドリエス。初めましてよろしくね」
「初めまして、僕は・・・アレク・・・です」
アレクはにっこりと微笑みながら、ユリアスと握手をした。

「僕は逃げてきました」
アレクは両手でスープカップを持ちながらうつむいた。
「必死に。捕まった場合は、死を選択したことと同じですから」
ユリアスは片手にコーヒーを持ちながら、ベットの近くのソファーに腰を掛けた。
シキは自然とソファーに座るユリアスの後ろに立っている。

------ガッシャーンッッ!!!-------

部屋の窓ガラスが大きな音を起てて突然割れた。
その割れたガラスの側には上下黒い服に身を包んだ男女が立っていた。
金髪に青い瞳を持つ男女は同じ顔を持ち、不敵に笑みを浮かべた。
そして、男はベットの上で怯えるアレクを見つめ呟く。
「博士カラノ伝言ダ。拒ムヨウナラバ機能ヲ停止サセル・・・見ステタ22号ノヨウニ・・・27号」
アレクは薄く笑みを浮かべる男に叫んだ。
「見捨てたのではない!・・・みすてたのでは・・・」
男はゆっくりと瞳を閉じる。
「戦闘モード」
小さな声でそう呟くと両手首から剣の様な刃が飛び出す。
そして、ゆっくり開いた瞳は、先ほどまでのサファイヤの瞳から琥珀のようなオレンジの光に変わっていた。
男はアレクへ向かって大きく飛翔した。
それを見ていたユリアスは瞬時にアレクと庇い、自分の背中にアレクを回す。
「悪いけど、帰ってもらえないか?ここは僕の館だ。アレクと何があったかは知らないけど、今は僕たちのお客様だよ。傷つけないでくれないか」
男と同じ様に両手首から刃を出した女が胸の位置で腕を交差させながら呟く。
「関係者以外ハ、消去シロ」
男女は勢いよくユリアス達に襲いかかる。
そして、ユリアスに女が斬りかかろうとした瞬間、シキが女の腕を掴みあげた。
「ユリアス、ここは私が止めます。ユリアスはアレクを連れて奥へ」
ユリアスはシキの言葉を聞きうなずく。
「うん。分かった」
ユリアスは、そのまま後に怯えたまま座り込んでいるアレクの手を取り連れていこうとするが、目の前に男が降り立ちユリアスに向かって刃を振るった。
「ユリアス!!」
しかし、刃はユリアスには届かず、男とユリアスの間にアレクが立ち刃を体で受け止めていた。
男の腕から伸びる刃はアレクの右腕から背中にかけ大きな傷を作り、そこから溢れるように紅の血が流れ出す。
「アレクッッ」
アレクは心配そうに見つめるユリアスににっこりと微笑む。
そして、無事だった左腕で男の腕を掴んだ。
「博士に伝えて下さい。「あなたの所へは戻りません。あなたの言葉も飲むことは出来ません」と」
「博士ハ何度デモ27号ヲ追イカケル。私達ヲ変エ何度デモ」

 

-scene4-

-scene2-

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