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東京湾に面した工業団地に「アトラス研究所」はあった。
研究所の周りには3mほどもある壁に囲まれ、その塀の上には有刺鉄線の鋭い棘が隅々に並んでいた。
正面門も大きな鉄の門で堅く閉じられ、まるで監獄のようにも見えた。
その前にユリアス達は立っていた。
シキは門の鉄の門を見ながら呟く。
「そろそろ影響が出始めるはずですが・・・」
シキの言葉が終わらない内に鉄の門はきしむ音を立てながらゆっくりと開きだした。
開いていく門を見ながら、ユリアスは門の奥に見えてきた研究所の扉を見つめている。
「招かざる客だからね。喜んで博士には会わせてくれないだろうね」
門の奥にある扉も自動的に開いていく。
ユリアス達は研究所の中へ足を進めた。

「ユリアス、何か接近しています」
長く続く白い廊下の奥、十字路から幾つもの小さな音が聞こえてくる。
それは人の足音よりも細かく、それに合わせモーターの動く音も聞こえる。
アレクは動かす足をふと止めた。
「ユリアス、シキ、気を付けて下さい。あの音は警備用蜘蛛型アニマノイドです」
八本の足と目のような大きなレンズを一つ持つ蜘蛛の形をしたアニマノイドは細かく足を動かしながら近づき、ユリアス達を見つけ、レンズの標準を合わせた。
そして、八本の足を器用に使いユリアス達に向かって飛びかかってきた。

いくつも並べられたスクリーンの前に淡い銀色の髪を持つ若者が椅子に腰を掛けていた。
スクリーンには色々な角度のユリアス達の姿が映し出されている。
「この人達は・・・以前の・・・」
銀縁の眼鏡の奥にあるエメラルドのような緑の瞳を細めた。
「蜘蛛型では押さえられませんね。19号、21号、人型を出しなさい。彼らの力を見てみたい」

 

-scene7-

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