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「お疲れさん」
医務室の扉に体をあずけながら、白倉はにっこりと微笑む。
「中に入って休んできな、お前達のその傷口も消毒してやるよ」
その言葉に日下部達、三人はお互いを見つめる。
三人の体や顔には犬との追いかけっこで出来た細かな傷が沢山出来、傷口からは血が滲んでいた。
三人はゆっくりと医務室へ入っていく、イチハも医務室の入口に近づくが、扉の前で躊躇する様に
立ち止まる。
そのイチハの姿に沢村が不思議そうに見つめる。
「イチハくん、どうしたの?」
「ここはね、僕たちにとって簡単に入る事が出来ない場所なんだ」
「・・・僕たち・・・?」
「うん、雪哉が言っていたでしょ。医務室は学生室の次に安全な場所って」
「・・・確かに言ってた・・・けど・・・あっ」
その沢村の姿にイチハは少しだけ寂しげに微笑んだ。
「そう、僕たち。霊にとっては入る事が出来ない強力な結界が張られている場所なんだ」
「・・・イチハくん・・・」
「イチハ」
医務室の中にいる白倉のイチハを呼ぶ声にイチハはにっこりと笑みを浮かべる。
「でも、大丈夫。彼がこうして僕を呼んでくれるから」
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