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イチハは医務室に入るなり弓木を見つけ嬉しそうに近づいた。
「隆峰っ、久しぶり。陽一から忙しいって聞いてたから心配してたんだ」
「あぁ、大丈夫。今はだいぶ落ち着いてきた。・・・ここの学校以外は」
イチハと弓木の楽しそうな会話を沢村は聞きながら、不思議そうに呟く。
「白倉先生はともかく、弓木さんとイチハってなんでそんなに親しいの?」
その言葉にイチハと弓木の会話が止まる。
「・・・あれ?・・・聞いてない・・・?」
イチハが不思議そうに首を傾ける。
「さっき、白倉先生から、前顧問だって話しは聞いたけど・・・」
「そう・・・聞いてないみたいだね・・・。白倉陽一は前学生会顧問。そして、弓木隆峰と共に僕を
見つけてくれた人だよ」
「・・・イチハくんを・・・見つけてくれた・・・人?」
沢村は全員が見守る中、しばらく考える。
そして、何かに気付いた様に小さく声を上げた。
沢村の視線が日下部に向けられる。
「・・・学生会・・・会・・・長・・・」
「ごめいとう」
白倉はにっこりと笑みを浮かべながら、沢村に温かいコーヒーを入れたカップを手渡した。
芳ばしいコーヒーの香りが医務室に広がる。
沢村はコーヒーを一口飲み、小さく溜息をついた。
「知らなかったのは、僕だけだったんだ・・・」
「俺も、朔弥も最近知ったばかりだよ、なっ」
清瀬が慌てた様に夕凪に声をかける。
「まぁ」
「僕は会長を継ぐときに前会長から話を聞きました」
「でも・・・だったら、僕が顧問になる必要なかったんじゃ・・・」
その沢村の言葉に白倉はゆっくりと答えた。
「先生にしか出来ない事があるんだ。沢村先生」
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