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今から少し前の話

中庭にある桜が見事な薄紅色の花をつけている頃
春の暖かな陽気を浴びながら、白倉は医務室で少し退屈そうに伸びをした。
外からは楽しげな声が微かに聞こえる。

「・・・そろそろ・・・だな」

白倉は近くに置いてあったカップに注がれたコーヒーの最後の一口をゆっくりと飲み干した。
それと同時に一人の学生が医務室の扉を開く。

「白倉先生、私、今期を以て学生会会長を辞任するわ」

「・・・また、突然だな・・・学生会会長」

そこには美少女という言葉がよく似合う髪の長い一人の女子学生が佇んでいた。

「学生会会長になって今日が初めての大きな仕事だろ、日暮」

白倉はカップを手にしたまま、ゆっくりと振り返る。
その言葉に日暮はにっこりと微笑んだ。

「えぇ」

その嬉しそうに微笑む姿に白倉は確信を持って応える。

「見つけたんだな」

「えぇ、私たちよりも力を持っているわ。これから一年間、彼らには学生会で次期役員に
 なるための準備をしてもらうつもりです」
「・・・そうか、分かった。だが、日暮が辞任するときにはきっと学園中大騒ぎになるな。
 男子学生どもが泣くぞ」

 

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