□ scene11 □


「ダメだっ!!!」

二人の背後から白い影が襲いかかる。
しかし、白倉が颯爽と振り返り、白い影の頭に手をかざした。
次の瞬間、白い影は蒸発するかの様に、空へと消えて行った。

白倉の視線が学生会室にいるイチハを見つめる。

「・・・俺たちはずっと考えていた。お前が何者なのか、何故、学生会室から出る事が出来ないのか
 ・・・大堂寺壱羽。元学生会会長。俺たちと同じような力を持ち、一人で戦い続けた・・・
 魂の安らぎを求めずに」

イチハを見つめる白倉の横から輪郭を失った青年の霊が襲いかかる。
しかし、弓木が咄嗟に白倉の隣に立ち、青年の霊に手をかざす。
輪郭を失った青年は次第に輪郭を取り戻し、笑みを浮かべながら空へと還っていく。

白倉は透明な壁に阻まれたイチハに向かい手を伸ばした。

「壱羽っ!! 俺がお前の魂を救ってやるっ!」


その瞬間、イチハを阻んでいた透明な壁は姿を消した。



イチハはゆっくりと瞳を開く。
学生会室は優しい秋の光を浴びている。
イチハは日の当たる学生会室を見渡し、少しだけ寂しそうに微笑んだ。

「・・・陽一の嘘つき」

 

-epilogue-

-scene10-

-back-