|
その瞬間、最期に見た光景が鮮明に蘇った。
フードに隠れた顔。
驚きのあまり後ずさる自分。
バランスを失い崩れていく体。
真っ赤に染まっていく視線の先に影の姿を見つめたまま。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
イチハは頭を抱えながら悲鳴に近い声を上げる。
「ウソ、ウソだっ! ヒカリくん、僕だよ。僕はここにいるっ」
大きな声を上げてもヒカリは気付くことがなく、涙を零し続けている。
「気付いて、僕はここにいる!」
イチハは学生会室の扉を開けようとするが、鍵をかけたかのように開くことが出来ない。
開いている窓へ近づくが、開いているはずの窓からも出ることは出来なかった。
まるで透明な壁が存在しているかのように。
そして、時は流れる。
|