□ scene3 □


学生会室は南校舎の最上階、一番奥にあった。

他の部屋よりも重厚な扉のカギを開け、ゆっくりと開く。
「お帰り、みんな」
部屋の中から、一人の学生が勢い良く現れた。

「あっ、君は」
部屋の中にいた学生は、ステージ奥にいた学生だった。
学生は沢村を見つめ、ニッコリと微笑む。

「ようこそ、清陽学院高等学校学生会へ」

その言葉に促されるように部屋の中へ入る。
教室ほどもある広い部屋の壁一面には大きな本棚があり、ぎっしりと様々な本や資料が並べられている。

「改めて自己紹介をさせて頂きます。沢村由樹先生。僕は日下部雪哉、学生会長をしています。
 そして・・・彼はイチハ」

「イチハです。先程はどうも」
「オレは2年Aクラス清瀬聖(キヨセヒジリ)。一応副会長している。よろしくっ、先生」
日下部雪哉よりも少し背の高く、職員室から沢村の両脇を抱えた一人がニッコリと笑う。
「2A夕凪朔弥(ユウナギサクヤ)。副会長」
髪を縛った学生が本を片手にポツリと呟く。
「では、学生会の概要を」
「ちょ、ちょっと待って、説明して欲しいんだ。どうして、僕が選ばれたのか。」
「理由・・・ですか?」
「あぁ」
沢村はゆっくりと頷く。

「理由は僕だよ」

「イチハ・・・くん?」
「うん。僕」
イチハは沢村へゆっくりと近づく。

「僕の事が見えているから」

「・・・?」
次の瞬間、沢村の視線が一点に固まる。
「な、ななななな」

ニッコリと微笑むイチハの足下は床から少しだけ浮いた状態で立っていた。

 

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