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「立川さんは本当に来るの?」
「先輩は必ず来ますよ」
沢村の心配をよそに日下部達は講堂の椅子に座り、薄暗闇の中にグランドピアノだけが置かれているステージを見つめている。
「大丈夫、夏目君も望んでいる事だから」
イチハは沢村へ向かってニッコリと微笑んだ。
その瞬間、ステージの上のスポットライトがグランドピアノを照らした。
ステージの脇から楽譜を手にした美津留が現れる。
美津留の近くには心配そうに見つめる渚の姿も見える。
美津留はゆっくりとステージの中央にあるグランドピアノの場所へと歩き出した。
美津留の姿には重なるように黒い影が見えた。
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