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「え? 講堂を使ってもいいの?」
次の日、学生会室へ呼ばれた立川美津留は驚いたように声を上げた。
学生会室には会長、副会長の3人以外に美津留に付き添っている渚もいる。
「それはとても嬉しいのだけど・・・本当に?」
その美津留の言葉に日下部はニッコリと笑みを浮かべる。
「私から沢村先生を通して許可をいただいています。ピアノコンクールの会場と同じスペースでの練習も
行った方がいいでしょう。音響設備もしっかりしている講堂なら練習もしやすいと思いますよ」
「良かったじゃない。美津留」
「・・・う・・うん」
その瞬間、美津留の背後に揺れるように黒い影が浮かぶ。
蜃気楼の様に揺らぎながら、微かに浮かび再び美津留とぴったり重なり合うように消えていった。
日下部はその光景を見つめながら、ゆっくりと呟く。
「何か気になる事でも?」
「・・・いいえ、有り難うございます」
その言葉に美津留を見つめていた渚も日下部を見つめ、安心したかのように微笑んだ。
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