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「音楽室に幽霊?」
会議が終わった学生会室には会長、副会長達、イチハ、沢村が残る。
窓から見える景色は星が輝き始め、学生達が帰った学校からは静けさが漂っていた。
「幽霊というか、正確にはある学生に霊が取り憑いてしまったみたいなの」
「取り憑かれた?」
「えぇ、私の親友、立川美津留。毎年全国ピアノコンクールでも優秀な成績を残しているピアニスト。
その全国コンクールが迫ってきているので、音響がしっかりした音楽室を借りて練習をしているのだけど、
最近、彼女の様子がおかしいのよ。前まではコンクールの前でも楽しそうに演奏をしていたのに、
今では一心不乱に、、まるで何かに取り憑かれているかの様に恐ろしい形相で演奏をしているの」
「それは、練習が進んでいなくて焦っているだけなんじゃない?」
「いいえ、美津留にとって音楽は楽しむもの。彼女のピアノはいつも優しさや楽しさに溢れていた。
・・・・それなのに・・・昨日、心配で音楽室の彼女の様子を見に行ったわ。・・・激しく鍵盤を
たたく指と、彼女の背後にうっすらと見える黒い影」
「・・・黒い影?」
「えぇ、きっとそれが原因」
渚は日下部をじっと見つめる。
「このままでは、コンクールどころか彼女の身が危ないわ」
日下部は渚の言葉にじっと耳を傾けていたが、ゆっくりと立ち上がる。
「とりあえず、その彼女に合わせてください」
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