□ scene14 □


夕焼けの空が星空に変わった頃、グラウンドに4人とイチハ、男性が佇んでいた。
子猫は沢村に優しく抱かれている。

清瀬は右手に子猫が体育館で追いかけていたサッカーボールを持っている。

「じゃあ、行くぞ」

その言葉の合図と共に、清瀬は右手に持っていたサッカーボールを思いっきり空へ向かって蹴り上げた。
サッカーボールは空へ向かってグングンと昇り、まるで翼を持った鳥の様に空を翔ていく。

そのサッカーボールを見つめていた子猫は、沢村の腕から空へ向かって駆け出す。
サッカーボールを追いかけて、空へ翔ていく。

「さぁ、次は君の番だ」

その日下部の言葉に、男性は俯いている。

「君はこのままここへいるべきじゃない」

夕凪の言葉に男性はゆっくりと頷く。
「分かってる。・・・けど」

沢村は優しく微笑んだ。
「サッカーボールと子猫を見失ってしまうよ」

「・・・・でも」

その時、空から微かに子猫の鳴き声が聞こえる。

「子猫が呼んでいる」

「・・・うん」

その言葉を最後に、男性は風に紛れる様に消えていった。

「・・・さようなら」
沢村は空を見上げながら、ゆっくりと呟いた。

 

-epilogue-

-scene13-

-back-