□ scene6 □


清瀬と日下部が二人へ走り寄る。
「大丈夫か?二人とも」

沢村は背中を強くぶつけ、ゴホゴホと咳をしている。
夕凪は壁にぶつけた肩を押さえながら、ゆっくりと立ち上がり、視線を白い影へと向けた。
二つの白い影の前にはイチハが睨み付けるように影の行く手を塞いでいる。

「朔弥、先生を頼む。聖、行くぞっ!」
「あぁ」

日下部と清瀬は影と対峙しているイチハの方へ向かう。
そして、イチハの所へ辿り着くと、イチハへ日下部がゆっくりと呟いた。

「今の状態では除霊は不可能だ。今はとりあえずお帰り頂こう」
「そうだね」

日下部は白い二つの影を睨むように見つめる。
そして、右手を影にかざした。

日下部の周りの空気が微かに振動する。
それを見つめていたイチハは日下部の背後に浮かび、そっと右肩に手を乗せる。
かざした右手の上に微かに輝く何かが形成されていく。

その光景を沢村は横たわったまま息苦しさに息を弾ませながら見つめていた。
「・・・け・・ん・・・?」

少し霞んだように見える日下部の右手には空気に紛れてしまうかのような透明な剣がしっかりと握られていた。

「行くよ」
「あぁ」

イチハの言葉に応えるように日下部の周りに風が生まれる。
その瞬間、日下部は剣を勢い良く振り下ろす。

鋭く振り下ろされた剣から、風が生まれる。
突風の様な激しい風は影に襲いかかった。

「アァァァァァァァ・・・・」

体育館は超音波の様な声に全体が振動する。
次の瞬間、白い二つの影は日下部が起こした風に吹き消されるように姿を消した。

 

-scene7-

-scene5-

-back-