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「セントホワイトリーフ教会」
ユキは先ほど電車から見えた白い教会の門の前に立っていた。
神矢は教会の中に入ってから数分が経過している。
「・・・・ここ・・・」
ユキは微かな懐かしさを覚えながら、辺りを見渡す。
そして、何かに促されるように岬の先端に向かう小道を歩き出した。
木立の間を小道を少し歩いていくと、眩しい光と共に世界が変わった。
突然、緑溢れる木々が消え丈の短な緑の草花が広がる。
その中に真っ白なベンチが一つポツリと置かれていた。
その先には空と海の青。
木で出来た白いベンチは空と海に向かって置かれている。
「・・・・・」
海からの潮の香りを風が運んでくる。
ユキは眩しそうに目を細める。
その瞬間、ユキの背後から何かが通り過ぎる。
フワリとした柔らかな空気。
懐かしい気配にユキは小さく呟いた。
「・・・・エド・・?」
ユキの瞳にはエドワードの後ろ姿があった。
淡い茶色の長めの髪。
見慣れた真っ白なシャツ。
エドワードは風に髪を揺らしながら、ゆっくりと空と海に向かって置かれている
ベンチへと歩いて行く。
誰もいないはずのベンチにはいつの間にか一人女性の姿が見える。
黒髪の長い女性の姿。
エドワードは嬉しそうに微笑みながら、女性の隣に腰をかけた。
女性も嬉しそうにエドワードに体を寄せる。
「・・・あの人・・・」
ユキはゆっくりと白いベンチへと近づいた。
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