□ scene11 □


「こんなところにいたのか。ユキ」

その言葉にユキは我に返ったように声のする方へ振り向いた。
そこには、心配に見つめる神矢の姿があった。
ユキは再び白いベンチの方へ目を向ける。
そこには白いベンチだけが太陽の光を浴びている。

「・・・」

神矢はユキにゆっくりと近づいた。

「・・・何かあったのか?」
「・・・・」

海から潮の香りを乗せた風が吹く。

「・・・・何でも・・・ない」

ユキの寂しげな瞳を神矢は見つめながら、優しく呟いた。

「教会でシスターが待っている。・・・行こう」

 

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