「こんなところにいたのか。ユキ」 その言葉にユキは我に返ったように声のする方へ振り向いた。 そこには、心配に見つめる神矢の姿があった。 ユキは再び白いベンチの方へ目を向ける。 そこには白いベンチだけが太陽の光を浴びている。 「・・・」 神矢はユキにゆっくりと近づいた。 「・・・何かあったのか?」 「・・・・」 海から潮の香りを乗せた風が吹く。 「・・・・何でも・・・ない」 ユキの寂しげな瞳を神矢は見つめながら、優しく呟いた。 「教会でシスターが待っている。・・・行こう」