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神矢は咄嗟に窓の外を見つめる。
白いベンチから風に揺れる草花、そして雑木林。
その雑木林から何かに反射した光が一瞬漏れた。
「あそこかっ!」
神矢はそう叫ぶと部屋から飛び出した。
「神矢っ!!」
ユキも神矢を追う様に部屋の外へ走り出そうとする。
「ユキさん」
ユキはシスターの言葉に足を止めた。
そして、シスターの方を見つめる。
ユキの瞳に映ったシスターの瞳は何かの決意に満ちている。
「・・・シスター?」
「ユキさん。美奈子さんのこと。エドワードさんからどこまで伺っていますか?」
その言葉にユキの紅い瞳が曇る。
「・・・エドワードは何も・・・俺には何も教えてくれなかった」
「・・・そう、ですか」
「ただ、とても優しくて少しだけ弱いヒトだった・・・だけ」
「・・・真実を・・・知りたいですか?」
ユキはその言葉に再び窓辺に向かう。
潮風に揺れる緑の草花
誰もいない白いベンチ
その先は真っ青な空とキラキラ輝く海
波の音を乗せた潮風がユキの黒髪を揺らす。
ユキはゆっくりと頷いた。
シスターは祈りを捧げるように両手を胸の前で合わせ、ゆっくりと話し始めた。
「・・・私の知るすべての事をお話します」
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