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雪の降る寒い朝。
何もかもが凍りつく様な冷たい朝に子供が産まれた。
白い白い子供。
時より開く瞳はルビーの様な紅い瞳。
元気な産声を上げる我が子を見た美奈子は狂った様に悲鳴をあげた。
「この子は誰?」
「エド、私達の赤ちゃんはどこ?」
美奈子は少しずつ少しずつ心の均衡を無くしていく。
やがて、手にしたのは人形。
「美奈子、それは人形だよ」
「・・・何を言っているの? エド。こんな可愛い赤ちゃんじゃない。ほら、瞳の色も髪の色も
私達とよく似ている。きっと美人に育つわ、可愛い可愛い私の坊や」
それから何年かの月日が流れる。
美奈子は人形の赤ちゃんを抱き続けている。
ただ、何かのきっかけで美奈子は精神を取り戻し、ユキを優しく抱きしめた。
そんな日は3人で白いベンチで時間を忘れ楽しそうに話をしていた。
そして、美奈子は幸せな微笑みを残したままこの世を去った。
「美奈子さんが亡くなる前、もし貴方がこの場所へ来ることがあった場合、伝えて欲しいと
言葉を遺していました」
シスターは優しく微笑みを浮かべる。
「『私は貴方をとても愛していた。貴方は愛されて産まれてきた』・・・と」
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