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クラブハウスはこれ以上人が入ることが出来ないほど、沢山の客でごった返していた。
巨大なスピーカーからBLUE SPIRITの激しい音楽が流れ、ミキヤの歌声が響く。
沢山の観客は必死にメンバーへ手を延ばし、メンバーは音楽で応える。
「ふーん。人気があるんだ」
「何?」
神矢はスピーカーからの音と観客の声援に邪魔されて、
ユキの呟くような声を聞き取ることが出来ず、ユキへ耳を傾ける。
それと同時にBLUE SPIRITの最期の演奏曲が終わり、
大声援に手を振りながらメンバー達が二人がいる場所へ戻ってくる。
ユキはサングラス越しにミキヤの姿を見つけた。
ミキヤと視線が交差する。
ユキは通りすぎていくミキヤに視線を送りながら、ゆっくりとサングラスを外した。
ステージから零れてくる光にユキの赤い瞳は一段と鮮やかさを増す。
ユキはステージを見つめている神矢の耳元でそっと囁いた。
「俺を選んだ事、後悔させない」
振り向いた神矢にユキは今までに見せたことが無いような笑みを浮かべる。
そして、もう一度サングラスをかけステージへ歩き出した。
神矢は頬を染めながら、ユキの背中を見つめている。
「・・・マジ・・・かよ」
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