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「はぁ・・・」
ベッドに横になっていた神矢は体を起こしながら大きな溜息をついた。
そしてベッドから離れ、窓を開ける。
「・・・眠れない」
月明かりに照らされた雲が青く輝き、空に幻想的な世界を創り出す。
微かな風が神矢の髪を優しく揺らす。
その時、微かに歌声が聞こえた。
「・・・ユキ?」
神矢は月の光で照らし出された廊下を歩き、グランドピアノが置かれている部屋へと向かう。
そして、窓際に立っているユキへ声をかけようとした瞬間、その姿に息を飲んだ。
「ユ・・・・」
ユキは少しだけ開けた窓から外を見つめていた。
「・・・A dear person.・・・I want to protect you, even if it risks my life.」
ポツリポツリと聞こえる歌は、神矢がユキと出逢ったときに口ずさんでいた歌。
青い月明かりに照らされたユキはとても淋しげに見える。
「ユキ」
その言葉にユキはビクリと反応し、ゆっくりと振り向いた。
「・・・神矢」
「眠れなくてさ、部屋の窓を開けたらユキの声が聞こえて」
「・・・そう」
「さっきの曲、俺達が初めて会った時に歌っていた曲だよな」
「・・・・・。」
「すごく優しい曲だけど・・・切ない」
ユキは神矢から視線を外すように、再び窓の外へ視線を向ける。
幻想的な青白い月明かりに照らされて、ユキの白い肌が一層鮮やかに見えた。
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