□ scene2 □


屋敷の中を隠す真っ白な布越しに淡い光がゆらゆらと揺れている。

庭に出ることの出来る大きな窓に淡い光に揺れて人影が写る。

少しだけ開いた窓から微かにビアノの音色が流れてくる。

それは、澄んだとても切ない旋律。

「・・・マジ・・・かよ」

神矢の背後から柔らかな風が通りすぎる。

その風に誘われるかのように重く真っ白な布が少しだけ揺らめいた。
その揺れる布のその奥に一瞬だけ何かが通り過ぎる。

真っ白な布と同化してしまう程の、白い姿をした人間。

柵の外から見つめていた神矢は、同時に窓の中から流れてきた微かな歌声に息を飲んだ。

『・・・You flew down・・・to my origin just like a・・・miracle.』

部屋から零れてきたビアノの音色の様に、澄んだ、そして甘く切ない歌声。
言葉をまるで呟くように歌う歌声は一瞬に神矢を魅了した。

「お、おいっ、・・・なぁ、聞こえるか?」

神矢は両手で柵を握り、柵に頭をつけて部屋の中の人物を呼んだ。
その言葉に歌声が途切れる。

「なぁ、そこの、そこの人っ、今の歌声は君の声?」

窓を隠す真っ白な布に、淡い光に照らされて人影が映る。
神矢はその人影を見つめ、少しだけ嬉しそうに微笑んだ。

「また、明日、いや、これから毎日来るよ。もう一度歌声を聞きたい」

 

-scene3-

-scene1-

-back-