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「ナオ、本気なのか?」
ライブハウスの小さな楽屋にいた神矢は
同じバンドのベース担当、ミヅキの言葉にゆっくりと頷いた。
「もちろん、俺、抜けるわ」
その言葉に背を向けて座っていたボーカル担当、キミヤが呟く。
「いいじゃん。別に。俺とナオの創り出す音楽、初めから全く違っていたし」
「ミキヤは黙ってろって。・・・他に行く当てでも見つけたのか?」
ドラム担当のヒサトが心配そうに神矢を見つめる。
神矢はギターをケースにしまいながら、ゆっくりと答える。
「あぁ、スゴいの見つけたぜ。まだ一瞬聞いただけだけどな」
「はぁ? どっかのボーカル?」
「いや。幽霊屋敷のお姫様」
神矢の言葉に楽屋の時が一瞬止まったかのように静かになる。
少ししてヒサトがゆっくりと呟いた。
「・・・・・女?」
「・・・男・・かな」
神矢はギターケースを肩に掛けながら、にっこりと微笑んだ。
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