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それから一週間。
陽が落ちる頃に屋敷へと向かい、声を聞いた場所に立ち屋敷からの歌声を待つ日々が続く。
しかし、屋敷からは物音一つ聞こえず、微かな光さえも見えない。
暗い沈黙が続いた。
微かに太陽の光が残る夕方。
神矢は同じように幽霊屋敷と言われている大きな家の前に立っていた。
家はいつものように頑丈な鉄の柵で周りを囲まれ、大きな門は固く閉ざされている。
家を囲む大きな庭は荒れ果てており、誰も住んでいないかのような廃墟にも見える。
神矢は昨日と同じ場所に立ち、柵を背に寄り掛かっている。
「今日も出てきちゃくれない・・・かな」
その時、神矢の顔を強い光が覆った。
「君かい? この辺りで大きな荷物を持ってここ毎日立っている不審人物ってのは」
強い光は神矢の顔から柵に立てかけているギターケースへ移る。
「ちょっと、警察署まで付いてきてくれるかな」
「え?、け、警察?? 何で?」
「近くの住人の方から通報されたんだよ」
「・・・通報??」
「そう」
「あの幽霊屋敷の前に毎日立っている人がいるってね」
警官は神矢の手首を掴み、強引に近くに止めてあったパトカーへ連れていこうとする。
「うそっ、ちょっと待てよ。俺はこの家の住人と話がしたくて」
「はいはい、話は警察署で聞くから」
「ちょ、ちょっと」
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