□ scene5 □


「離してあげてくれませんか?」

その突然の言葉に警官と神矢が声の方へと振り向く。
そこには少しだけ開いた窓。
重く白い布には淡い光と人影が見える。

「すみません。その人と僕、知り合いなんです。ちょっと前にケンカしてしまって。
 彼が毎日あやまりに来てくれていたのですが・・・意地を張ってしまって」

「でしたら、あなたもカーテンに隠れていないで出てきてちゃんと話してくれませんか?」

「俺は・・・幽霊屋敷の住人ですよ。噂もご存じでしょう?」

その言葉に警官は神矢の手首を離した。
「ま、まぁ、こ、これからは気を付けるように」

警官はパトカーの方へ逃げるように去っていった。


「サンキュ。助かったよ」

神矢は握られた手首をさすりながらにっこりと笑みを浮かべる。

「別に、助けたかったわけじゃない」
「でも、ありがとう。助かった」

その言葉に白い布が揺れる。

「・・・・そんなに俺に興味があるのなら、入ってくれば?
 あんたに俺を見れる度胸があるのなら」

 

-scene6-

-scene4-

-back-