□ scene3 □


1時間、、、2時間。

グランドピアノの部屋から見える世界は暗く、そして白い。
雪は夜の暗闇にも白く、いつまでも降り続く。

「スープ・・・部屋に持っていこう」

湯気の立つスープをトレイに乗せ、階段を上る。
部屋の前で立ち止まり、扉に小さくノックする。

「エド?・・・起きてる?」

「スープ作ってきたんだけど・・・飲めそう?」

「・・・エド、開けるよ」

扉をそっと開く。
白色が好きなエドワードの部屋。
庭が綺麗に見渡せる窓の下に白いベッドに横たわる男性。

「・・・・エド?」

窓には全てを覆い隠す程、激しく降り続く雪。
雪の灯りが男性の顔を白く浮かび上がらせる。

白く、白く。
心の中に何か嫌なモノが広がっていく。

沸き上がる不安。

『カッランッッ!!』

トレイの落ちた音が部屋に響き渡る。

恐る恐る眠り続ける男性へ近づく。

「エド!」

頬に手を延ばす。

「・・・・・・っ」

氷のように冷たい。

「・・・ウソ・・・ねぇ。ウソって言ってよ」

白く生気のない顔。

「・・・エド、お願い」

もう、優しく微笑んでくれる事は無い。

もう、自分に微笑みかけてくれる人は誰もいない。

「誰・・・か・・お願い・・・」


雪は白く降り続く。

 

-scene4-

-scene2-

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