|
彼は数週間後保護された。
寒気が通り過ぎ、久しぶりに白い雲から太陽の光が注いだ日。
ベッドの傍らに踞ったまま、虚空を見つめている。
呼吸すら忘れてしまったかのように。
抜け殻の様な彼が発見された。
ベッドに眠る男性の亡骸と共に。
彼は世界を棄てた。
太陽の注ぐ世界を拒絶し、生きることを棄てた。
閉ざしてしまった自分に残したものは、
グランドピアノとエドワードの詩。
永遠と続く小さな世界。
ある日、小さな世界に一人の若者が現れる。
少し強引で優しい心を持つ若者に閉ざしてしまった世界がゆっくりと動き出す。
鮮やかな音色と共に。
|