□ キャラル・スルー1 □


砂の大地「デストラ砂漠」を抜け、北西へ進むと見えていた景色は一変し、辺りは緑豊かな草原が何処までも続いていた。
その背丈の高い草々は西から吹く緩やかな風に止まることなく、その身を任せている。

この草原「ユラン平原」を別名「風の草原」を言われる由縁である。

その平原の中央には、風の王宮「聖風宮」を持つ聖国、キャラル・スルーが栄えている。
綺羅達は高さ15m程もある東に位置する東方門をくぐり立ち止まった。
東の門から正面には長い一本の道が西へ向かい延びていた。
その中心とも言える大きな道路には、街の人々の集う店が並び人々で栄えている。
遠くの方には西方門が見え、そこから入る風が綺羅達の髪を揺らしていた。
「螺夜は?」
伏見の声に綺羅は振り向いた。
「もうすぐ来ますよ」
紫の瞳を細め、にっこりと笑みを浮かべる綺羅の後ろに螺夜の姿が見えた。
「あれ・・・螺夜、瞳の色が変わっている」
螺夜はゆっくりと銀色の髪を掻き上げる。
掻き上げた髪の間から見える瞳は、消えそうなほどの氷の様な青い色をしていた。
「あのままでは危険だろう」
綺羅は嬉しそうに微笑むとゆっくりと歩き出す。
「二人とも来て下さい。知り合いの武器屋がありますので行ってみましょう」

 

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