□ クルノ洞窟1 □


早朝、綺羅達は移動用動物ラグジーに乗り、キャラル・スルーから北へユラン平原を歩きクルノ洞窟へと向かっていた。
広く続く平原には、絶え間なく優しい風が通り、平原の草や花々を揺らしていた。
その中を歩くラグジーの足がふと止まった。
「魔物達の出現が少ないな」
その武器屋の静かな言葉に周りのラグジーの歩みも止まる。
「そう言えば、キャラル・スルーを出発してから下級魔族の出現が一度だけ。それ以来、魔族は姿を現していない」
そう言いながら伏見は風になびく黄金の髪を掻き上げる。
「魔族をその己の持つ力で自分のテリトリーが決まります。力の強い者が近くにいればその周辺は魔族が少なく、逆に力の弱い者では他の魔族の出現も多くなります」
綺羅は自分たちの進む先を見つめる。
平原は次第に消え、巨大にそびえる山脈「ルノール山脈」が見える。
その山脈の麓には、影になり冒険者達を待つ洞窟が大きな口を開いている。
「魔物の殺気を感じる」
螺夜はそう呟くと、少し強さを増した平原の風に靡く銀糸の髪をうっとうしそうに掻き上げた。

 

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