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門をくぐり中心に建つ法の塔「魔術師の塔」へ向かう。
「ここは時がゆっくり流れています。聖国や都から来られる方々は、この時の流れに驚かれる」
伊里座は瞳を細めながらにっこりと微笑む。
遠くの方から剣を合わせる金属の音がする。
「魔法剣士達が手合わせを始めたようですね。後で塔の見学をしてみると良いですよ。何か吸収出来ることがあるかも知れません」
そして、法の塔「魔術師の塔」へ四人は足を踏み入れた。
薄暗く細い廊下を抜け、光溢れる場所へ入る。
「・・・建物の中にこんな広い場所があるのか・・・」
驚きのあまり伏見が声を上げる。
光溢れる塔の中の広場には、剣を使い音を響かせながら1組の剣士が練習を行っていた。
一人の剣士が詠唱を響かせる。
「紅なる炎よ、我が刃へ宿れ」
剣士の剣に炎が浮かび上がる。
「我が剣よ、冷気を帯びて氷の剣(ツルギ)と成せ」
もう一人の剣士も声を響かせる。
そして、その剣士の剣は強い冷気を帯び始めた。
二人の剣士の言葉が同時に響く。
「ソード・オブ・フレイム!」
「ソード・オブ・クール!」
瞬間、剣がぶつかった。
「綺羅、あなたは彼らの力をどう見ますか?」
伊里座は剣士達を見ながら呟いく。
「剣士の魔術はお互い強い魔術を持っています。彼らの魔力はほぼ互角です。魔術では勝負はつかないでしょう」
伊里座はその言葉に金と水の様な青く淡い瞳を細める。
「では、剣士伏見。彼らの剣はどちらが優位と思いますか?」
伏見はじっと剣士達の勝負を見つめていたが、ふと伊里座を見つめる。そして伏見の青い瞳は鋭く剣士の瞳に変わった。
「・・・今の状態では剣技もほぼ互角。ただし、氷の剣を持つ剣士の方が精神的には落ち着いている。何かのきっかけで一瞬の隙をついて勝負は終わる」
「・・・何かのきっかけですか・・・」
伊里座は少し考えると、口の中で小さく何かを呟いた。
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