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氷月の力を感じ、伊里座の部屋を出た綺羅は、魔法剣士達の練習する大広場を上から見下ろた。
そして、目に飛び込んできた光景に唖然とした。
吹雪の造る氷の龍と、紅姫の造る炎の嵐。
その二つの大きな反した力のぶつかりで、法の塔の守りの壁に傷ができ亀裂が走る。
その亀裂からは、大量の熱気と冷気がぶつかりながら溢れ出ていた。
そこには先に到着している魔術師達が自らの魔術で法の塔の守りの壁を修復していた。
「あの守りの壁の上に、もう一枚の幕を造る。修復する間に流れ出す力を抑える事が出来る」
綺羅の後ろに突然と現れた気配が呟く。
綺羅は振り返りながら、ゆっくりと答える。
「助かりました。一人でどう行動するか思案していた所です・・・螺夜」
螺夜はゆっくりと銀の髪を掻き上げる。
そして、守りの壁に向かって右手をかざした。
綺羅も同じように両手をかざし、瞳を閉じる。
「負の力。我等を守る幕となれ。カウンターマジック!!」
守りの壁のすぐ上に硝子で出来た様な透明な薄い幕が生まれる。
守りの壁の亀裂から流れる力は、その透明な幕で阻まれ、それ以上進む事は出来なかった。
「伏見達が心配です。大広場まで行きましょう」
綺羅が歩き出そうとした時、螺夜が綺羅の腕を止めた。
「亜空間を広げる」
そう一言だけ呟くと、螺夜は綺羅の腕を掴んだまま空間へ消えていった。
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