□ 魔術師1 □


魔法剣士達は身動きもとれないまま、二つの強力な力が消えるのを透明な保護幕の中でただ見つめていた。
その強力な二つの力、伏見の氷の力と遊佐の炎の力は最大の力でぶつかり合い、巨大な水蒸気の嵐を生み出していた。
「私のカウンターマジックと、どちらが消えるのが早いか・・・」
長い黒髪を掻き上げながら、砂夜は溜息混じりに呟いた。
「このままでは魔術の力が衰え、カウンターマジックの威力が無くなる者も出始める。あおの水蒸気に生身で浴びればただではすまんぞ」
伏見と遊佐の力がぶつかった直後、広場にいた魔法剣士達はカウンターマジックを唱え、余波の直撃を受けることは無かった。
そして、力を発した二人も砂夜の保護幕に守られ、お互い傷つく事は避けることが出来た。
しかし、法の塔の壁は見事に崩され、至る所に崩れた残骸が転がり、今も上から破片が落ちてくる。
「私はこの二つの力を消す魔術を持っていない。例え唱えられたとしてもカウンターマジックの幕の中からは魔術は外へ行くことが出来ない」
遊佐は金の髪をかきながら呟いた。
「これは、また他の師匠達にどやされる」
伏見も溜息混じりに法の塔の上を見上げ呟く。
「綺羅達が気付いてくれれば良いのだけど・・・」

「お互いの力が互角でどちらかの力を消すことも出来ないのか」

突然伏見達の背後から聞こえる。
驚いた三人は反射的に振り向いた。

 

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