□ 魔術師2 □


そこには綺羅と螺夜が佇んでいた。

「綺羅っ、螺夜っ!」
綺羅は伏見を見つめ、安心したように少し微笑み、遊佐の方へ近づいた。

「何か対応手段はありますか?」
遊佐は綺羅の言葉に首を振った。
「お手上げだ。魔法剣士は攻撃と回復、防御しか魔術を使えこなせない。それに・・・」
遊佐はカウンターマジックの保護幕を指差した。
保護幕には少しずつ伏見が放った氷の力が、幕を氷で覆い始めている。
「伏見の氷月の力は魔術に近いが、違う部分もあるようだ。解除呪文だけで消えるかどうか・・・」
綺羅は氷に包まれ始めた保護幕をじっと見つめる。
「螺夜の亜空間を使って、私と螺夜が保護幕の外へ出ます。その直後私が魔法解除の呪文を唱えます。解除魔法で遊佐の魔法は解く事が出来るでしょう」
「問題は伏見の放った力だ。ぶつかる相手が消えた直後、暴走する氷月の力はどの様な形態を創るか分からない」
伏見が心配そうに綺羅と螺夜を見つめる。
「大丈夫ですよ、伏見。ここは法の塔、回復を行う法師達も大勢いますから・・・それよりも私は・・・」
綺羅の言葉を止めるように螺夜が近づく。
「行うぞ」
「えぇ」
遊佐、砂夜、そして伏見が見つめる中、綺羅はゆっくり紫の瞳を閉じた。

「空中に舞う偉大なる魔詩(マガウタ)よ。無に帰せよ。幻の詩よ、真実の風になれ」

詠唱が終わらない内に、綺羅は螺夜と共に空間へと消えていった。
そして、保護幕を挟んで伏見達の前へ姿を現した。

「ディスペル・マジック!」

その瞬間、紅色の炎の嵐は空中に融けるように消えていった。

 

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