□ 魔術師3 □


「・・・あれは・・」

綺羅の言葉に螺夜が小さく舌打ちする。
消えた炎と水蒸気の中から、氷の結晶が少しずつ集まり氷の龍が生まれる。
白く透明な龍はゆっくりと蠢き、やがて綺羅達をじっと氷の瞳で見つめる。

「サモン エレメンタル 我は命ずる、西方に住まいし眷属よ、西の門(ゲート)より去れよ、アイスドラゴン!!」

西の方角に巨大な門が生まれる。
強風が吹き荒れる中、氷の龍は門の中へ引き込まれていく。
氷の龍は苦しそうに雄叫びを上げ、綺羅達に向かってアイスブレスを吹き付けた。
螺夜は瞬間、綺羅を守るように綺羅の前に立ちふさがるが、空気の異変に気付き呟いた。
「・・・レジスト・・か」
アイスブレスは二人の前に出来た空気の幕の様な流れに阻まれ、綺羅達に届くことは無かった。
龍は門の中に消え、その門も消えていった。
その直後、魔法剣士達の歓声が広場を包んだ。
綺羅達に近づく遊佐達に綺羅は小さく呟いた。
「本当は氷月の暴走した力よりも、魔法解除の呪文でカウンターマジックが消えてしまうのではないかと心配でした」
そう言いながら、紫の瞳でにっこりと微笑んだ。
「ま、皆怪我が無く良かった。感謝するよ」
遊佐は赤い瞳を細め微笑むが、言いにくそうに言葉を続ける。
「綺羅達は手数をかけてすまないが、私達と法術師の塔へ来てくれないか?法術師に住まう賢者へ今回の説明を行わなければならないんだ・・・彼の指名でね・・・。 「当事者と関係者」を共に連れて来るようにと」

遊佐は再びにっこりと微笑んだ。

 

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