□ 珠砂3 □


螺夜は伊里座へゆっくりとその氷の様な青く冷たい瞳を向けた。
そして、皆が見つめる中、顔に半分かかった銀の髪を掻き上げる。
それを見つめ珠砂が呟く。

「・・・妖眼」

螺夜の青く冷たい瞳は半分を残し紅の瞳へ変わり、魔族の紋章が頬に紅く2本伸びていた。
「強力な魔術、そして召喚術を使いこなす魔術師螺夜です。珠砂」
伊里座は再び優しく微笑み話を続ける。
「彼の出身までは存じませんが・・・」
綺羅は伊里座と珠砂のやり取りを見つめていたが、話を変えるようにゆっくりと話を始める。
「私達は明日、湖の都メーロスへ向かいます。風の聖国の聖国王からのご命令によりメーロスの王にお逢いし、そこから西方にある村カラツの様子を見に行きます」
「カラツへ?・・・何かあったのか?」
遊佐が呟くように聞く。
「分かりません・・・ですが、カラツからの連絡が一切無くなっている様です」
珠砂はその白く流れる髪を掻き上げる。
「近頃、魔族の侵攻が各地で強くなったと聞く。その侵攻がカラツに及んでなければ良いが・・・」
「・・・そう・・・ですね」
綺羅はゆっくりと呟いた。

そして、法の塔の夜は更けて行く。

 

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