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「妖族の女が死んだ」
魔族達の間に小さな波紋が広がった。
暗闇に包まれた空間、その闇の中に蝋燭の様な小さな光が一つある。
その灯火では闇に包まれた広い空間を全て照らす事は出来ない。
その中に幾つかの影が見える。
その影の一人が再び女性とも男性とも言える中性的な声で話し始める。
「ディル・ウォーグに幻の都を創った女だ」
「殺されたのか?」
女性の強い声が響く。
その言葉に魔族達の波紋は少しずつ大きくなり、大きなざわめきに変わる。
その中、一人が立ち上がった。
その瞬間、ざわめきが消える。
立ち上がった影には揺らめく蝋燭の光が当たり、豊かな黄金の髪も微かに照らし出された。
そして、その艶やかな唇に笑みを浮かべた。
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