□ 遊佐2 □


法の塔の魔法剣士達が見守る中、伏見と黒髪の若者との手合わせが始まる。
黒髪の若者は金の瞳で伏見をジッと見つめ、鞘から引き抜き刃まで黒く輝いている剣を胸の前で立てる。

「海の都 ルバーニング 砂夜(サヤ)」

伏見も黒髪の若者、砂夜と同じように左腰に付けた剣「冴威」を抜き、胸の前で立てた。
その剣は砂夜の剣とは対照的に銀色に輝く。

「・・・幻の都 ディル・ウォーグ・・・伏見」

伏見の言葉に魔法剣士達の言葉の波紋が広がる。
「・・・ディル・ウォーグの生き残りとはな・・・やはり四振りの内の吹雪はディル・ウォーグに眠っていたという事か・・・。 確かに・・・あの武器と武人の都であれば、強い剣士を育てることもできる。しかし・・・その魔剣吹雪を使わずに私を倒せると思ったか」
砂夜は後に飛び退くと、黒い剣に向かって左手をかざす。

「天の雷(イカズチ)よ。我が剣(ツルギ)へ宿り、神の雷剣と成せ!」

砂夜の黒い剣に金色の電流が走る。

「ソード・オブ・サンダー!!」

黒い剣は金色へと変わっていく。
伏見は冴威を構えながら呟く。
「あの黒い剣は魔術を取り込み剣の色までも変化させるのか・・・すごいな・・・」
伏見は嬉しそうに青い瞳を細める。
そして、剣と剣がぶつかった。
「馬鹿なっっ、あの剣を真正面から受けるなど電撃を食らうぞっっ!」
見守る魔法剣士の一人が叫ぶ。
魔法剣士と共に見守る遊佐は、腕を組みながら砂夜と伏見の戦いにその赤い瞳を細めた。
「彼は魔封じの剣をどこから手に入れたのか」
伏見は砂夜の剣から繰り出す雷に剣一本で防いでいた。
ぶつかる剣と剣の圧力で黒髪と金の髪が舞い上がる。
二人の力のぶつかり合いに法の塔が震える。
砂夜は剣で伏見を力任せに押しのけた。

「炎の結晶よ、集まりて玉(ギョク)と成せ」

砂夜の左手に炎の結晶が集まる。

「ファイヤーボール!!」

直径1m程にもなる炎の玉は勢い良く伏見へ向かって飛ぶ。
伏見は逃げることもなく炎の玉の真正面に剣を構えた。
「はっっ!!」
炎の玉に向かい飛び上がり剣を振り下ろした。
炎の玉は剣圧で二つに割れるように切れ、伏見の左右へ通り過ぎ小さな爆発を起こした。
砂夜と伏見の金と青の瞳が交差する。
それがお互いの合図の様に笑みを浮かべ、再び剣を構えた。
「お互い楽しそうだが、そろそろ剣を収めてくれ。これ以上、塔を壊さない様に」
遊佐は砂夜と伏見の間に入り、お互いを見つめにっこりと赤い瞳で微笑んだ。
「次に戦う者も控えているぞ」
その言葉に砂夜は黒く戻った剣を鞘に収める。
「この私の黒剣「白亜」。どんな力の色にも染まる無力の剣を雷の剣へと変化させ戦ったが、この剣が相手にならないとは・・・」
話を続けながらも砂夜は黄金の瞳を細める。
「後は遊佐に任せよう」

 

-遊佐3-

-遊佐1-

-back-