□ 遊佐3 □


「私は魔剣に炎の力を使う」
遊佐の赤い瞳が今までの目つきと変わる。
「炎は私の得意とする力だ。そして一対の剣「紅剣(コウヒ)」は炎を吸収する力が最も高い」
伏見もその青い瞳を細める。
「では、私は・・・魔剣吹雪を・・・」
伏見は吹雪を鞘からゆっくりと引き抜く。
青味がかった透明な剣は太陽の光を浴び、美しく輝いている。
その剣の美しさに、魔法剣士達のざわめきが広がる。
それに答えるように遊佐も紅姫を抜いた。
2本で一組の紅姫は吹雪と対するように赤みがかった銀の剣である。
「魔剣吹雪の最大の力を発揮できる方法は、剣と共に創造された両耳の飾りと ゴーントレットの二種の道具を必要とする。伏見、君にはそれが全て揃っている」
遊佐は紅姫を構えながら、にっこりと微笑む。
「魔剣の威力は剣に飾られている宝石の力が強い。君の吹雪は「氷月」。その君の蒼い瞳の様な氷の魔石だ」
遊佐は鋭い目つきでその赤い瞳を細めた。
「その魔石は氷の龍をも生み出すという」
遊佐はすっと伏見との間隔を広げる。

「紅なる炎の精霊よ。その気高き種族、炎の精霊よ。我が刃へ宿れ!そして、目覚めよ紅姫、炎の剣よ!!!」

熱気が剣から帯び始める。

「ソード・オブ・フレイム!!」

遊佐の剣は紅の炎の様に紅色へ変わっていった。
その剣は自らの発する熱気に陽炎さえも作る。
「紅姫の熱気で法の塔が溶けだしそうだ」
伏見が楽しそうに笑む。

「ディル・ウォーグ 伏見!!」
「聖国ルキアン 遊佐・・・!!」

言葉が合図になり、二人はお互いに向かった飛び上がった。
炎と化した紅姫と氷の剣吹雪がぶつかる。
その二つの剣からは白い水蒸気が大きな音を立てて上がる。
「魔法で守られた法の塔は魔法の力では決して傷つける事は出来ないが・・・」
見つめる砂夜は金の瞳を細める。
「遊佐達の闘気で法の塔が崩れそうだ」
砂夜の言葉通り、二人のその殺気に近いお互いの闘気が、剣を交える二人の間に渦を巻き、広間に充満している。
「吹雪の威力はそんなものでは無いだろう?」
「お互いにね」
遊佐は嬉しそうに微笑み、ゆっくりと赤い瞳を閉じる。

「地獄の炎よ。吹き荒れろ嵐よ。我の身に纏て炎の刃となれ・・・」

遊佐の周りに熱い風が巻き上がり、黄金の髪を舞い上がらせる。
伏見は遊佐の前に剣を構え、髪を靡かせながら呟いた。
「吹雪の力を見せてやる。氷の龍をも生み出す真実の力を!!」
伏見は熱風が吹き荒れる中、青味がかる透明な剣をゆっくりと構え直す。
伏見の濃青の瞳は、その透明な剣伏見と共に鮮やかに浮かび上がるように見えた。
その二人の光景を見つめていた砂夜が、他の魔法剣士に叫ぶ!!
「唱えられる者はカウンターマジックを!!二人の余波を浴びるぞ!!!」
その言葉が終わった直後、遊佐は伏見に向かって剣を振り下ろす!

「ファイヤーストーム!!」

炎の嵐が襲い来る中、伏見も遊佐に向かって飛び上がった。
「行けーーーーー!!!」
吹雪から氷の結晶が龍のようにうねりながら遊佐に襲いかかった。

法の塔の大広間で大爆発が起きる。

 

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