□ 貴沙紀3 □


その頃、伏見は無機質に伏見達を見つめる半透明の女と対峙していた。
少し青味がかった透明な刀の吹雪が美しく光を反射する。
「門に住まう魔性がいるという事は、この先に何かがあるって事だ」
伏見が挑戦的な青い瞳をより鮮やかな青へ色を変え魔性を見つめる。
「真空の力を持つ武器になら、吹雪にも通用するはずだろう?」
伏見の後ろにいた螺夜はすっと伏見の横に並ぶ。
「あの魔性の力は魔術の力で出来ている。お前のその腰に付いている魔封じの剣「冴威」なら魔性の力を封じる事が出来る。 吹雪では魔性を攻撃する事が出来るが、魔性が大鎌を振るう前に懐へ入り仕留めないとメーロスの兵の様になるぞ」
伏見は螺夜の言葉ににっこりと青い瞳を細めた。
「防御は螺夜に任せるよ」
伏見の言葉が合図の様に伏見は魔性に向かって走り出し、螺夜は詠唱を呟き始めた。

「時を司る者達よ。時の契約を解き偽りの時を流せよ・・・」

螺夜は伏見に向かって手をかざす。

「ヘイスト!!」

魔性に向かって走る伏見のスピードが急に加速される。
「加速呪文(ヘイスト)は数分しか持たない。心に命じておけ」
伏見は分かった様に片手を上げた。
そして螺夜は次の呪文に入るべく瞳を閉じた。

「負の力、幕を作りし我等を守る者となれ」

氷の様な冷たく青い瞳を開く。

「カウンターマジック!!」

螺夜の後ろにいる綺羅達の周りに透明な幕が舞台の幕を下ろす様に、突如空間から現れる。
「これで思う存分戦える」
伏見はそう呟くと、ほぼ正面にいた魔性に向かって飛び上がり、剣を振り下ろす。

-------カキンッッ!-------

剣と大鎌のぶつかる音が響く。
次の瞬間、伏見は懐に入り魔性の腹に剣で斬りつけていた。
「きいいいいいいい」
超音波に近いような魔性の悲鳴が響く。
「加速呪文(ヘイスト)の効果が出ているな・・・」
螺夜はそう呟くと、再び呪文を唱えるべくその透き通る様な氷の瞳を閉じた。

 

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