□ 魔族2 □


幾つかの空間を翔た所で、小さな空間は突如と巨大な空間へと姿を変えた。
空間にはゴツゴツとした大きな岩があり、所々には葉の無い巨大な枯木が立っている。
空は闇色の雲が覆い、黄昏が最後の雲を染めるように遠く微かに光を映している。
それは人間界の空の様に陽が昇る事もなく闇だけが続く。
螺夜と黒栖の行く先には巨大な城が闇に紛れ佇んでいた。
闇に紛れた城は幾つもの大小の塔が建ち、城をより複雑な建物に見せていた。

「魔界王の居城、魔闇宮。相変わらず趣味の悪い城だな」

黒栖は溜息混じりに呟く。
「もう一度ぐらい空間を渡れば、そのまま魔闇宮へ行ける。それとも別の魔宮へ行くのか?オレは何処へでもお供するぞ」
黒栖の楽しそうに微笑む瞳を横目で見ながら、螺夜は闇の中でも輝きを失わない銀の髪を掻き上げた。

「王へ逢いに行く。だが、黒栖、お前は魔闇宮の謁見の間へは入るな」

黒栖は螺夜の左右異なる瞳を見つめ、ゆっくりと頷いた。
「魔宮の中を久しぶりに探索していよう」


 

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