□ メーロス2 □


明朝、惜しまれながらも法の塔から出発した綺羅達は、サエル湖の西岸を通り法の塔のほぼ南方にある湖に囲まれたメーロスへ到着した。
湖側にくぼんだ部分に古くからある栄えた都はサエル湖から南下する川に、また豊かな木々、林にも阻まれ緑の中にある古城にも見えた。
対岸には先日までいた法の塔が見え、巨大な塔をサエル湖の豊かな水に反射していた。
「メーロスは法の塔が近いこともあって、魔法国家として都の中では最大の力を発揮しています。 地理的にも他国からの攻撃も受けにくく、昔から安定した都として知られています。そして、何よりも有名なのは女性が王位を継ぐ事」
綺羅達はメーロスの門の前で立ち止まりそっと移動動物のベアスから降りた。
そしてサエル湖から引いた大量の水で出来たアーチ型の門を潜る。

聖国キャラル・スルーよりは小規模な商店街を抜け、湖側の末端にある蔦の茂った城へ到着した。
城門の前には線の細い二人の女性が立ち、硬く閉じられた巨大な城門へ近づく綺羅達をじっと見つめていた。
「・・・綺羅、私は城の外で待っていて良いか? ああいうのはちょっと苦手だ」
伏見が綺羅に向かって囁くように呟く。
綺羅はその言葉に紫の瞳を細めた。
「・・・残念ながら、この通行許可書には3人の名前が登録されています。それに、今から帰っては、門を守る方たちに変に思われますよ」
その言葉を聞いていたかの様に門守の一人が綺羅の前へ近づき、手に持っていた杖の先を綺羅に突き付けた。
「メーロス王の居城、湖樹殿へ何用で参られた」
その言葉を聞きながら、綺羅は風の聖国キャラル・スルーの葉柴から貰い受けた通行許可書を取り出した。
「キャラル・スルーの王命より参りました。そして、これが通行許可書です」
門守は通行許可書を手に取り、じっと見つめた。
「・・・キャラル・スルー王族の紋章。間違えなくキャラル・スルーからの通行許可書だ。大変失礼した。湖樹殿へよくぞ参られた。入られるが良い」
門守の女性は杖を湖樹殿の大きな門へ向かってゆっくりと振る。
城門は音もなくゆっくりと開き出す。
その光景を見ながら螺夜が呟く。
「あの杖が門の鍵となっているのか」
「杖の開門魔法が城門を開いたのですね」
門守達は綺羅達が城門の中まで入っていく事を見送り、再びゆっくりと杖を振った。

 

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