|
泉の中は暗く捻れた空間が続いていた。
普段はそのまま映し出されている人間達の世界へ舞い降りる事が出来るが、この空間が不安定な時期は
映る景色さえも歪んで見える。
サタンはミカエルの肩をしっかりと抱き寄せながら、落下して行く歪んだ景色の先を見つめていた。
サタンの黒髪とミカエルの金髪が靡いている。
「すみません。貴方を巻き込んでしまって」
すこしだけ嬉しそうに呟くミカエルにサタンは漆黒の瞳を向けた。
「あの時、視線を感じていた。私が来ることを期待していただろう?」
「・・・お分かりでしたか。こうでもしないと、貴方とゆっくり話すことも出来ないですから」
サタンはにっこりと微笑むミカエルを見つめ、優しく微笑んだ。
「歪んだ空間では翼を痛める。純白の美しい翼が傷つくぞ」
「・・・貴方の漆黒の翼が傷ついてしまうのは困りますね」
ミカエルは少しだけ子供っぽく微笑んだ。
二人は美しい白と黒の羽根を歪んだ空間に散らしながら、空間を落下して行く。
|