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ソフィアは落馬の衝撃で傷ついた体を引きずりながらミカエル達の部屋へ近づく。
部屋の扉へノックしようとする瞬間、扉の隙間から眩しい光が零れた。
「・・・?」
再びノックしようとした扉から微かに洩れてくる声にソフィアの手が止まる。
ミカエルとルシフェル、その他に聞き慣れない二人の男性の声。
「・・・お二人が地上へ降りてから世界がざわついています。特に冥界は事態を知った反乱分子が蠢いています。
・・・今はベリアルが治めていますが・・・」
「ミカエル殿、サタン殿。今すぐお戻り頂きたい」
その言葉にソフィアは驚きのあまり後ろへ後ずさる。
その直後、部屋の扉がゆっくりと開いた。
「・・・何か?」
そこにはルシフェルの姿。
開いた扉から見えた部屋には優しく微笑むミカエルと見慣れない黒と白の二羽の鳥。
「・・・今・・・知らない・・声がした」
「私とミカエル以外は誰もいない」
「・・・そう・・」
サタンは見つめるソフィアの顔に微かに影を見つける。
「・・・二人に礼を言いに。父から聞いた、私を捜し出してくれたと。・・・感謝します」
ソフィアは最後の言葉を小さく呟くと、逃げるようにその場そ去っていく。
ソフィアの去っていく姿をじっと見つめているサタンにミカエルは不思議そうに呟いた。
「・・・どうしました?」
「・・・影」
その言葉にミカエルの蒼い瞳が曇る。
「・・・死の・・・影」
「ミカエル殿、サタン殿」
いつの間にか鳥から姿を変えた天使と悪魔。
メタトロンは先を見つめる二人を氷の様な青い瞳で見つめながら呟く。
「人間達へ特別な感情を向けてはなりません。・・・分かっておられると思いますが・・・」
「明日の満月の夜に迎えを。よろしくお願いしますね。メタトロン」
メタトロンの言葉を遮るようにミカエルは言葉を口にする。
「・・・ミカエル殿」
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