□ scene14 □


「・・・サタン」

ソフィアは睨み付けるように鋭い視線をサタンへ向ける。

「母上と兄上の魂を奪い去った悪魔の王」

サタンの漆黒の瞳にソフィアの死の影が映る。
悪魔の王の瞳にだけに映る死の予言。

「・・・お前のせいで母上達は死んでしまった。・・・悪魔達が私の大切な人たちの魂を奪い去っていった」

ソフィアのエメラルドの様な緑の瞳に魔王サタンの姿が映る。

「また誰かの魂を奪いに来たのか?!」

ミカエルはサタンを護るようにソフィアの前に立つ。

「ソフィアさん、違うのです。彼らは・・・ルシフェルは違うのです」

ミカエルは蒼い瞳を伏せる。

「天使が何故悪魔を庇う? 何故貴方が魔王を庇う? ミカエルとルシフェル、二人は戦いルシフェルは
 天から追放されたはず。何故二人が共にいる?」

そのソフィアの言葉にミカエルは蒼い瞳をソフィアへ向ける。

「天使と悪魔は対の存在。ですが・・・私達はけして憎み合っているわけではありません・・・
 ・・・信じて頂けないかもしれませんが・・・」

ミカエルの言葉にソフィアはミカエルを見つめた。

「あの時、私は祈り続けていた。神に、天使に。・・・祈り続けていたのに。
 誰も手をさしのべてはくれなかった。私達の声は貴方に届いているのか?」

ソフィアの言葉にミカエルの美しい蒼い瞳が曇る。

「・・・私達の役目は地上のすべての命を見守る事。天使は生を悪魔は死を・・・
 ・・・魂の存在となるまで見守る事しか出来ません。・・・天使も悪魔も見守る事しか出来ないのです」

その言葉にソフィアは静かに二つの棺を見つめる。
「・・・見守る事しか出来ない・・・なんて。きっと魂は今でも苦しみ続けている」

「・・・ソフィアさん・・・」

 

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