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「今日、最後の患者がソフィアのお客人とは」
屋敷の中へ通された二人は、屋敷の一部を使った診察室へ通された。
そこには緑色の瞳を優しく細める男性の姿があった。
男性は見ていた患者のカルテを机に置き、掛けていた眼鏡を外す。
男性の背後の窓には降り始めた激しい雨が映る。
男性はサタンの腕の傷に包帯を巻いている。
サタンの近くで治療を見つめていたミカエルが安心したように微笑んだ。
「治療していただいて感謝します。私達はある貴族に書簡を届けに来たのですが、途中、
賊に襲われて私有地と知らずあの森へ身を隠しました。私はミカエル・ブラン、彼は・・・
ルシフェル・・・ルシフェル・ノワール・・・領地へ無断に進入した事をお詫びします。」
その言葉にサタンは少し驚いたようにミカエルを見つめる。
ミカエルは蒼い瞳を細めにっこりと微笑んだ。
「書簡は賊に奪われてしまったのですか?」
「いいえ、ここに」
ミカエルはいつの間にか手にしていた書簡を見せる。
「必ず届けなければならない大切な書簡です」
「そうですが・・・大変でしたね。外は激しい雨も降っています。ノワールさんの怪我も軽くはない。
せめて怪我が癒えるまでゆっくりしていくといいでしょう」
「・・・ですが」
グラハムはミカエル達を優しく見つめ、微笑んだ。
「ソフィア、お二人に部屋の案内を」
「・・・・はい、父上」
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