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馬を駆ける。
ソフィアは栗毛の馬に乗り、颯爽と森の中の道を抜けて行く。
赤茶色の髪を靡かせながら、ソフィアは先ほどの光景を思い出していた。
ソフィアは白亜の建物の扉を開く。
眩しい光と輝く大木の傍らに佇むルシフェル。
漆黒の髪が艶やかに太陽の光を受ける。
その背中には微かに見える黒い影。
「・・・?」
微かに見えていた黒い影は次第にはっきりとした形を作り、漆黒に輝く美しい黒い翼へ変わっていった。
剣を傍らに置き、緑に囲まれた光の中に佇む姿はまるで黒い羽根を持った・・・天使。
「ルシフェル」
ミカエルの言葉に建物から現れたミカエルにソフィアは視線を向ける。
太陽の光に輝く黄金の髪。
聖なる蒼い瞳。
背中には光輝く純白の翼。
ルシフェルを見つめ、優しく微笑むその姿は神聖なる天使そのもの。
ミカエルは純白の翼から光を放ちながらルシフェルの傍らに歩み、嬉しそうに微笑む。
その姿は白と黒の対照的な天使たちが楽しそうに囁き合っている姿に見えた。
馬が森の中を疾走していく。
夕闇が迫り薄暗くなった道を馬は行き慣れた道を通るように駆けている。
「・・・あの・・あの光景は・・・あれは何?・・・」
その瞬間、疾走する馬の目の前に突然現れた一頭の鹿。
森の中から現れた鹿は、疾走する馬を見つめ驚きのあまり足を止めた。
「うっ!」
ソフィアは慌てて馬の手綱を引く、馬は前足を高く挙げて悲鳴に似た大きな声を上げる。
ソフィアはバランスを崩し落馬した。
馬は興奮したまま、勢いよくその場を離れ駆けていく。
「・・・ま、待て。・・・待つ・・ん・・・だ」
ソフィアは去っていく馬の後ろ姿を見つめながら、意識を無くしていった。
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