アポロのタロット占い

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Tarot FILES #34


DOさん(群馬県在住49歳女性)からこんな相談を受けた。

主婦ですが、主人に愛想が尽きた5年前に知り合った人を好きになってしまいました。相手はアルバイト先で知り合った上司(独身)です。彼氏にはメールを送っています。私が数年前にこちらからメール辞めたり、情緒不安定でした。かなりこの5年間は落ち込んでしまいまして、そんな時に彼の存在は有難かったです。彼はすぐ転勤してそれ以来会っていません。会おうと思えば会える距離にいますが。また、彼から返事は殆どありません。私が既婚だし、何といってもかな〜り年上なので、迷惑かもしれません。これから先この相手とより親しくなれるのか、もう諦めてメールも止めた方がいいのか、決められないんです。

占いに入る前に、いくつかお話をしておきます。

生年月日から分かる、DOさんの象徴カード(生年月日から割り出すあなたのカード)について説明しておきます。DOさんのパーソナリティーカード、及びソウルカードは以下の3枚になります。

I 魔術師

X 運命の輪

XIX 太陽

また、星座に対応するゾディアックカードは、天秤座なので「XI 正義」となります。これらのカードは占いに直接関係してくるわけではないので、あくまで参考程度に覚えておいてください。

彼については生まれた年が分からないので星座だけ見ておきます。星座は山羊座ですから、「XV 悪魔」となります。

「正義」と「悪魔」とは、なかなか、面白い関係ですね。

では、この2人の今後について、ケルト十字法で10枚のカードをめくってみます。カードの示すまま、お伝えしましょう。

DOさんの占い結果

1枚目は現状を示します。「棒の10」が出ています。10本の棒をかついで歩いている人物が描かれています。重荷や強制労働などを意味します。Yさんとの関係が重荷となっているようです。彼にとって重荷なのか、DOさんにとって重荷なのか? おそらく、DOさん自身も重荷と感じているのではないでしょうか。年齢差に対する後ろめたさや、自信の無さから、本当は彼から逃げ出したいような気持ちも、どこかにあるのかもしれません。あるいは、その重荷を背負って、どこまで歩いて行けば良いのか、分からなくなっているのかもしれません。

2枚目は障害を示します。「VI 恋人」が出ています。既婚者であるDOさんにとって恋人は、ある意味では、人生の障害とも言えます。結婚した相手と歩む道が正しい道とすれば、恋人との道は邪道ですね。世間的な見方もそうですが、DOさんの気持ちの中でも、彼との関係を邪道と認めていて、今以上に前に進むことをためらっているのでしょう。

3枚目は、顕在意識としておきます。「ペンタクルスの8」が出ています。町から離れた工房でペンタクルスの工芸品のような物を彫っている人物がいます。この人物はDOさん自身を示しています。彫っているペンタクルスは彼に宛てたメールです。沢山のメールを書いていますね。彼は、遠くの町のどこかにいます。実際にはそれほど遠くはないのかもしれませんが、彼と自分をつなぐ接点は、この沢山のメールに託されているのです。

4枚目は、3枚目に対して潜在意識となります。「ペンタクルスのエース」が出ています。雲の中から手が出てペンタクルスを差し出しています。3枚目のカードでもペンタクルスは彼に宛てたメールを表していましたが、ここでも同じです。雲の中から出てくる手は、メールのように、実体の無い存在を暗示しています。DOさんは彼と生身の付き合いをすることを恐れているのかもしれません。あるいは、彼との間に、通常の社会生活における人間関係を望んでいるのではなく、もっと精神的、内面的な関係を望んでいるのかもしれません。あるいは、メールのやり取りを現実的な人間関係と同様に考えているということかもしれません。

5枚目は過去を示します。「VII 戦車」が出ています。目標に向かって突進する戦車。盲目な恋愛を象徴するようなカードです。自分の立場や周囲の目を気にせず、気持ちがどんどん彼に向かって傾いていったことを表しています。

6枚目は未来を示します。「IX 隠者」が出ています。過去の盲進的な態度とは逆に、理性的な態度を示すカードです。だんだんと現実的な問題に目が覚めてきて、恋愛を恐れ、しり込みするようになります。今、既にそのような気持ちにあるとも言えます。

過去と未来の関係はシンプルで、多くを語るほどの物ではありませんが、いずれも、重要なポイントを示す大アルカナに属するカードが出ています。この、過去から未来への気持ちのあり方が、彼との恋愛における重要なポイントなのです。

7枚目はDOさんの立場を示します。「剣の3」が出ています。ハートに3本の剣が串刺しにされています。失恋を表すカード。もう既に失恋しているとも言えるでしょう。実際の2人の関係はまだ終わっていなくても、DOさん自身の気持ちの中では、あきらめのような、失望感や悲しみのような物があって、自ら2人の関係を終わらせてしまうかもしれません。

8枚目は彼の立場を示します。「棒の6」が出ています。白馬に乗った人物が勝利のシンボルを付けた棒を持っています。周囲の従者も棒を持っています。彼が勝利者となり、そのためにDOさんが傷心したということであるなら、彼に別の恋人が出来るのか、あるいは結婚することになるのかもしれません。彼がまたがる白馬は、彼のパートナーとなる女性の存在を暗示しています。それがDOさんなら良いのですが、DOさんの立場を表すカードに「剣の3」が出ているのは厳しいところです。

9枚目は願望を示します。「XI 正義」が出ています。これは、DOさんのゾディアックカードでもありましたね。正義というよりも、左手の天秤に象徴されるように、公正・公平を暗示するカードです。本当は、お互いに釣り合うような、対等な立場の関係を望んでいるのかもしれません。彼との関係において対等でないのは、年齢差や既婚・未婚の問題だけではありませんよね。おそらく、DOさんからのアプローチの方が多かったと感じているのではないでしょうか。過去の「戦車」に表されるように、割と一方的な関係だったのかもしれません。ただ、右手の剣が暗示するのは、その2人の関係のバランスを支配するのも自分でなければならないという願望です。

過去の「戦車」を見ると、戦士は2頭のスフィンクスを支配して、自らの意思でコントロールしています。2頭のスフィンクスは、それぞれ、DOさんと彼を表し、それをコントロールしているのもDOさん自身なのです。

2人の恋愛をコントロールしつづけるには、直接的な付き合い方よりも、メールなどを通した間接的な付き合いの方が楽かもしれません。それで、DOさんは、会おうと思えば会える彼に、直接会うことを避けているのではないでしょうか。

10枚目は最終結果です。「棒の9」が出ています。傷つきながらも、その場を動こうとせず、何かを待っている人物がいます。彼との関係で、将来には多くは期待できません。DOさん自身も「隠者」が出ているように、自分からはどんどん動けなくなるでしょう。相手が動いてくれるのをずっと待っているような状態が続きます。2人の関係がこれ以上進展することは難しいと思います。

10枚のカードから分かる結論はそういうことになるのですが、それだけではDOさんは納得できないでしょう。まだ、彼の気持ちについてはほとんど示されていませんからね。唯一そのヒントとなるのは、8枚目の「棒の6」です。横を向いた彼の姿は、彼がDOさんから目をそらしているようにも見えます。事を荒立てずに、出来ればそのまま、DOさんとの事は無かったかのように、馬に乗って通り過ぎたい、とでも思っているかのようです。後は、「剣の3」に示されたように、傷心のDOさんが一人残されるだけといった感じです。「悪魔」の彼からすれば、DOさんと公正・公平に向き合う必要はないのかもしれません。

以上で全てのカードを読み終わりました。

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