アポロのタロット占い

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Tarot FILES #82

アポロの歌

2005-10-24T00:28:17+09:00


手塚治虫の漫画、「アポロの歌」のストーリーを簡単に説明しておきます。

主人公は近石昭吾という名前の少年です。動物をむやみやたらに殺してしまう凶暴性のために警察に捕まり、精神科の治療を受けることになります。医者はさっそく電撃療法による治療を始めます。電気ショックを与えられた近石昭吾は意識を失い、女神アテナの幻を見ます。彼は出生時から幼少期までを振り返り、母親との関係が生き物への憎しみとして表れ、動物を殺すようになったことを話します。女神は近石昭吾に罰を与えます。

愛の美しさと尊さを、そなたは軽蔑している。

その報いを受けねばならぬ!

そなたは何度もある女性を愛するであろう。だが・・・その愛が結ばれる前に、女性か、そなたか、どちらかが死なねばならぬ!

そなたは死んでもまた生まれ変わって、別の愛の試練を受けるのだ。

そなたは苦しむのだ、永久に!

次に目覚めたときには、近石昭吾は第二次大戦中のドイツ兵として生まれ変わっていました。そこで、強制収容所に護送中のユダヤ人の少女に恋をして、彼女を助け出そうとしますが、失敗して 2 人とも致命傷を負います。2 人は手をつなぎ結婚します。少女は「愛してくれる?死ぬまで?」と言った後で、手をつないだまま死んでしまいます。近石昭吾も翌朝死体で発見されます。

気が付くと、再び電撃治療の診察台の上でした。医者は次に、催眠療法を試みます。近石昭吾はパイロットになる暗示を受けます。

パイロットの彼は、女性カメラマンに雇われて空を飛んでいました。そのとき事故が起きて海の中に墜落し、無人島に漂着します。そこは動物たちがお互いを食べることなく共存している不思議な場所でした。そこで、うっかりウサギを焼いて食べてしまったために、女性カメラマンが動物たちにひどい目に合わされ、大怪我をしてしまいます。はじめは仲の悪かった 2 人でしたが、やがてお互いに愛し合うようになります。そんな時、近くを船が通りかかり、助けに来てくれたのですが、トラブルがあって、彼女が銃で撃たれてしまいます。何とか助けようとしますが、火山が噴火して、地面が割れ、彼女が割れ目に飲み込まれてしまいます。

催眠術から覚め、病院の庭を歩いていると、怪しい女性が現れ、近石昭吾を誘惑します。びっくりした彼は女性を突き飛ばして病院を逃げ出します。後には女性が死体で発見され、彼は警察に追われる身となってしまいます。

近石昭吾は母親のところへ逃げ込みますが、相変わらずの母親に愛想を尽かして飛び出します。警察から逃げ回る彼を、見知らぬ女性が助けます。彼女は彼を山奥の小屋にかくまい、マラソンのトレーニングをさせます。彼は彼女に恋をしますが、彼女の恋人に崖から突き落とされて意識を失います。

意識を取り戻した彼は、未来の世界で目を覚まします。そこは合成人間の支配する世界で、その合成人間の女王を殺すように命令されます。うまく合成人間の女王に近づくことに成功した彼は、女王に「愛し合うこと」を教えろと命令されます。合成人間には性器がないために、セックスがどういうものかわからないからです。やがて 2 人は恋をし、女王は性器を整形手術で作ってまで愛し合おうとしますが、2 人は結ばれることなく、悲劇的な結末を迎えます。

舞台は再び現代に戻ります。近石昭吾を助けてマラソンのトレーニングをしていた女性は、実は彼を担当している精神科医の教え子で、トレーニングを通して彼を治療しようとしていたのです。しかし、彼が彼女に恋をしてしまったために悩み、先生に相談します。精神科医は彼女に「月桂樹になれ」と言います。それは、ギリシャ神話のダフネという少女の物語でした。

タロットカード: 棒の6

ギリシャの神、アポロは、あるときダフネという少女に恋をします。アポロを振り払おうと逃げ回ったダフネは父親である川の神ペーネイオスに助けを求めると、ペーネイオスはダフネを月桂樹の木に変えてしまったのです。後悔したアポロは娘への愛を忘れないために月桂樹の小枝をちぎって輪を作り、頭へかぶりました。それから、月桂樹の冠はギリシャ人やローマ人の栄光を表す印として名誉ある人物がかぶるようになったそうです。タロットカードでも、勝利を意味する「棒の 6」に描かれています。

しかし、精神科医と彼女の話を立ち聞きしてしまった近石昭吾はやけになって飛び出します。月桂樹になるために、静かに去ろうとしていたトレーナーの女性は途中で事故にあって崖から転落してしまいます。近石昭吾と彼女の恋人が彼女を見つけますが、彼女は怪我で失明していました。助けを呼びに行くと言って去った恋人は失明した彼女を見捨ててそのまま帰ってきませんでした。

やがて警察も彼を追い詰め、最後は彼女と共にガソリンに火をつけて自殺してしまいます。

気が付くと近石昭吾は女神の前にいました。女神は無情にも、彼の永久に繰り返される罰を許そうとはしませんでした。彼は再び、愛の試練に向かうのでした。

自然は・・・
男と女をつくりわけ・・・
男と女は自らの子孫のために結ばれ、生みつづける・・・
胎児・・・それは
男と女の、オスとメスとの、
誠実な愛のしるしである。
誠実な愛がなければ、人類の歴史は続かなかっただろう。
男と女と、生まれるものは、
世界のつづくかぎり、
無限のドラマを繰り返すだろう。
今日も、また、明日も・・・

お話はこれで終わりです。男と女が愛し合うこと、恋愛をテーマにした物語です。

このお話と、今回の占い結果を見比べてみると、似ている部分がいくつかあることに気づくと思います。単なる偶然の一致ですが、その偶然の一致には意味があるということは、占い講座の「3 匹のカマキリ」でもお話しました。ここには、何か重要なメッセージがあるはずなのです。

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