タロット占い講座


[ 第27回 ]

0 愚者 = 狂人

タロットカード: 0 愚者

タロットカードの『愚者 (The Fool)』は、その名前からは、中世ヨーロッパの宮廷に仕える道化師を想像させます。実際にその道化師のイメージは、カードの中にも取り入れられているようにも見えるのですが、1つだけ腑に落ちない点があります。

宮廷内にいるはずの道化師が、なぜ、屋外に描かれるのか?

タロットにはたくさんの種類があるのですが、そのどのデッキを見ても、宮廷内の道化師として描かれているものはほとんど見当たらない(あるかもしれませんが)のです。愚者は、旅人として描かれたり、屋外をさまよう人物として描かれるのが定番なのです。これはいったいどういうことでしょう?

それは、どうやら、愚者というのは、「狂人」を描いたものらしいのです。狂人というのは、まさしく狂った人で、おそらく、精神的におかしくなって、まともな社会生活ができなくなった人のことなのでしょう。そのため、社会のルールに縛られず、屋外(社会という枠組みから外れた場所)をさまよう自由な存在として描かれているわけです。

現代には、「引きこもり」という厄介な存在も増えていますが……。心理学的にいうと、引きこもりは、内向的な「愚者」なのかもしれませんね。


タロットに関する学習や質問は
サブスク占い
をご利用ください