タロット占い講座


[ 第29回 ]

同じカードが繰り返し出るのは?

タロット占いをしていると、よくそんな場面に出くわして興奮している人がいます。確かに、同じカードが繰り返し出てくるのは「シンクロニシティ」という意味では重要な意味を持っているので、無視すべきではありませんが、少し気をつけなければならないと思います。

同じカードが出たという「ちょっと不思議な事件」に気をとられて、正しい占い結果が導き出されなくなってしまう危険があるからです。占ってもらう側も、そんなカードだけを見て「わー、すごい!」と、びっくりして占い結果を別の意味に受け止めてしまう危険があります。また、それ以外のカードの解釈がおろそかになる危険もあります。

実際のところ、仮に大アルカナ22枚のみで占っていたとして、ケルト十字法のような10枚のカードを使う占い方をした場合、単純に考えて、繰り返し占ったときの同じカードが出る確率は約2分の1となります。78枚全てのカードを使ったとしても、そのうちの10枚はまだ約8分の1の確率ですね。全く同じ位置に出るということであれば、それほど高い確率にはならないでしょうが、意外にそういう事もあります。というのは、実は、シャッフルが十分に行われておらず、並び順すらほとんど変わっていないような状態で再度めくったりすると、前回と似たようなカードが似たような順番で出てしまったりします。1度占った直後であれば、シャッフルが十分に行われていないというのは良くあることです。

また、以前出たカードが再び出てくると印象に残りやすいので、他のカードよりも確率が高いと錯覚してしまうこともあります。特に、自分が気になっている事柄の場合は、そのカードが出るたびに強く印象付けられるので、そのカードだけが「何度も出る」、あるいは、「必ず出る」とさえ錯覚してしまうことがあります。このような場合、自分の意識には注目すべきですが、カードそのものには決してとらわれてはいけません。

通常は、同じ事柄を繰り返して占ったりするのは好ましいことではありませんが、何らかの理由で繰り返し占う事があったり、質問を少し変えて占ってみるというようなことはあるかもしれません。そんなときに同じカードが出てくると、そのカードにとらわれて、状況を一面的にしか見れなくなってしまう危険があります。そういったことをできるだけ回避するために、シャッフルはやりすぎだと思うくらい、入念に行ってください。可能であれば別のデッキ(タロットカードのセット)を用いることで、シャッフルの不備のために同じカードが出るといった問題を回避できます。

繰り返し占うのは、物事を別の面から見て理解を深めるためです。同じ面から何度も見たところで、何の意味もありません。

同じカードが出ることを回避するための、もっと確実な方法は、一度めくったカードは使わずに、残りのカードだけでシャッフルし、再度占うという方法です。より深いリーディングを行いたいと思うのであれば、ぜひこの方法を採用してください。

それでも同じカードが出ることがあります。そんなときでも、そのカードにとらわれすぎないように注意することは必要ですが、その事実を無視しろというわけではありません。同じカードが繰り返し出るのは、そこに重要なメッセージがあるからです。そのメッセージを十分に理解したうえで、次のカードの解釈に進んでください。単に、「同じカードが出た!不思議だ?」という驚きだけで終わってはいけないということです。

タロット占いをしているときにもっとも気をつけなければならないのは、カードそのものや、カードの意味にとらわれすぎて、質問内容や、質問者自身を見失ってしまうことがあるということです。時々カードから目を上げて、質問者の目をしっかり見ながら占ってあげてください。


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